版画 ミュシャ
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アール・ヌーヴォーの旗手「アルフォンス・ミュシャ」の版画
アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は、
19世紀末から20世紀初頭にかけて花開いたアール・ヌーヴォーを代表する画家であり、グラフィックデザイナー。
オーストリア帝国のモラヴィア(現在のチェコ共和国)に生まれ、20代後半に美術を学ぶため、パリに渡ります。
ミュシャは、1885年にパリの舞台女優、
サラ・ベルナールの芝居「ジスモンダ」の広告ポスターを制作して一躍有名になりました。
ミュシャの作品の多くはリトグラフ(石版画)で作られています。
リトグラフは版画の技法のひとつで、
石を版に使うのでリトグラフ (ギリシャ語で石をリトス、描くをグラフィコスと言う事から) と呼ばれます。
吸湿性のある石灰岩の表面にクレヨンのような油性の画材で絵を描き、水と油が互いに弾き合う原理を応用して刷ります。
18世紀末に発明された新しい版画の技法で、版面を彫ったり削ったりせずに、
表面が平らなまま製版するという点で他の版画と異なります。
リトグラフ(石版画)を駆使したアルフォンス・ミュシャの「商業芸術家」としての信念
アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。
ミュシャが主に用いた技法は、複数生産が可能なリトグラフ(石版画)です。
“すべての人に美しい芸術を楽しんでもらいたい”
そう考えていたミュシャは、誰でもが安価で買う事ができるようにと、版画で作品を制作しました。
それが「装飾パネル」です。
サラ・ベルナールの舞台広告のポスターで有名になったミュシャは、美しい装飾パネルによってさらに人気を高めます。
装飾パネルは室内に飾れる大きさで、値段も1枚10フランと誰もが気軽に買えるものでした。
普通は有名画家の作品は、大変高価なもの。
いわゆる、肉筆の「一点物」と呼ばれる作品は、
現代ではクリスティーズなどのオークションにかけられれば、とてつもない高値が付くものも珍しくなく、
美術館に収蔵されるか、富豪のお蔵に入るのか‥誰でもが手に取るという事はできません。
しかしミュシャは、有名な画家でありながら一点物などは殆ど作らず、
皆が気軽に買える版画の技法を用いた作品を作り続けたのです。
“芸術はすべての人のもの”と考えていたミュシャは、商業芸術家としての信念を貫き、沢山の作品を世に送り出しました。
日本美術に影響を受けたミュシャのリトグラフ(石版画)
アルフォンス・マリア・ミュシャ(Alfons Maria Mucha, 1860年7月24日-1939年7月14日)は、
パリで活躍したアール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー。
ミュシャは、複数生産が可能なリトグラフ(石版画)の技法を用い、多くの広告ポスター、
装飾パネル、カレンダー等を制作しました。
ミュシャの作品の主なモチーフは、星、宝石、花、そして流麗な曲線で描かれた美しい女性達。
流線と華やかな色使いで、徹底的に美を追求したデザインが特徴です。
代表作として「ジスモンダ」、「黄道十二宮」、「四芸術(詩、ダンス、絵画、音楽)」など。
中でも装飾パネルは、複数生産が可能な版画で作られる為、
安価で美しい芸術を楽しめるとあって、当時のパリっ子達に好評でした。
ミュシャの作品には、チェコやビザンティンなどの装飾様式のほか、日本美術の要素もみられます。
太い輪郭線、単純化された色の面、写実性と装飾性の調和など、日本の浮世絵の影響を受けたのだとか。
(そう言えば浮世絵も主に版画ですね、こちらは木版画です。)
「羽根」と「桜草」、「つた」と「月桂樹」、 または「四季」、
「四つの花」、「四芸術」シリーズのような連作も日本の屏風の様式に影響を受けているそうです。
